残り何キロの表示が減っていくのを見ながら、充電器まで持つのかと不安になったことはありませんか。
EVに乗り始めて半年くらいの方から、よく聞く話です。
ガソリン車なら、最悪は携行缶で運べば動きます。EVはそれができません。だから余計に怖く感じます。
でも、電欠は突然起きるものではありません。車のほうから何段階も知らせてくれます。今日は、その合図の順番と、止まってしまったときの手順をお話しします。
🔋 電欠は段階を踏んで起きます
残りの電気が少なくなると、まず表示が変わります。数字が消えて、線やマークだけになる車種が多いです。
次にエアコンが弱まります。暖房や冷房は電気をたくさん使うので、走るぶんを残すために先に絞られます。
そのあと、出力制限が入ります。アクセルを踏んでも加速しなくなり、亀のマークが点く車種もあります。この状態でも、しばらくは走れることが多いです。
ここまで来ても、すぐ止まるわけではありません。表示がゼロになってから、数キロから十数キロ走れる余力を残してある設計が一般的とされています。ただし当てにする数字ではありません。
いちばん危ないのは、この余力を「あと10km走れるはず」と計算に入れてしまうことです。上り坂や向かい風で、その余力は簡単に消えます。
🚗 止まってしまったときの手順

まず、動けるうちに安全な場所へ寄せてください。完全に止まってからでは、押して動かすのも大変です。
ハザードを点けて、三角表示板を置きます。高速道路では、これを怠ると罰則の対象になります。
そのあとロードサービスを呼びます。
加入している自動車保険に付いている場合が多いので、保険証券を先に見てください。
電話のときは、EVであることを必ず伝えてください。これがいちばん大事です。
理由は牽引の方法が違うからです。EVはタイヤを地面につけたまま引っ張ると、モーターが回されて発電してしまい、故障につながるおそれがあります。車体ごと載せる積載車が必要になります。
一部の地域では、給電車が来て少しだけ充電してくれるサービスもあります。ただし対応できる場所は限られるので、期待せずに待つほうが気持ちが楽です。
呼ぶ目安ははっきりしています。出力制限のマークが点いた、または残り表示がゼロになった。このどちらかが出た時点で、次の充電器まで5km以上あるなら、走り続けずに電話してください。
⏱ かかる時間とお金
ロードサービスの費用は、加入していれば無料になることが多いです。保険に付いている牽引は、15kmから100kmまで無料という条件が一般的です。
入っていない場合は、出動料と作業料と距離料の合計になります。一般道の昼間で1万円台から、距離が伸びるとさらに上がります。
待ち時間は30分から90分ほどが目安です。連休や大雨の日は、それ以上かかることもあります。
運んでもらう先は、いちばん近い充電器か、販売店になります。夜だと販売店が閉まっているので、翌朝まで預かりという形になる場合があります。
長距離の日にこうなると、予定が丸ごと崩れます。走る前の組み立て方はこちらが詳しいです。
EVで長距離を走る計画の立て方 充電の組み込み
📊 残量が減ってきたときの選び方

| やり方 | 増える距離の目安 | 向いている場面 | 合わない条件 |
|---|---|---|---|
| 近くの急速充電器まで行く | 10分で50〜80km | 5km以内に空いている充電器がある | 1基しかなく先客がいる、残りが5%を切っている |
| 商業施設の普通充電を使う | 1時間で10〜15km | 買い物や食事の予定を入れられる | あと30km以上必要、閉店時間が近い |
| 速度を落として粘る | 1割ほど伸びる | 目的地まで残り10km前後 | 高速道路上、上り坂が続く、暖房を切れない同乗者がいる |
| ロードサービスを呼ぶ | ー | 出力制限が出た、周りに充電器がない | 保険の付帯を確認していない、EVだと伝えていない |
速度を落とす方法は効きます。時速100kmを80kmにするだけで、電気の減り方はかなり穏やかになります。エアコンを弱めるより、速度を落とすほうが効果は大きいです。
減り方そのものを抑えたい方は、充電のしかたも関係します。
急速充電と普通充電の使い分け 電池を減らさない
❄️ 冬はもっと早く減ります
寒い日は、同じ残量でも走れる距離が短くなります。電池そのものの働きが鈍り、さらに暖房で電気を使うからです。
夏に150km走れた残量が、真冬は100kmを切ることもあります。この差を知らずに夏の感覚で出かけると、電欠に近づきます。
雪で渋滞に巻き込まれたときも、慌てなくて大丈夫です。暖房だけなら、残量が3割あれば半日以上もつとされています。ただし念のため、冬は5割を切ったら充電する習慣にしておくと安心です。
冬の減り方と対策はこちらにまとめてあります。
寒冷地でEVに乗るとどうなる 冬の航続と対策
🏠 電欠を減らすいちばんの方法
外の充電器を探して走る回数が多いほど、電欠の危険は増えます。逆に、家で満たしてから出る習慣がつくと、この心配はほとんど消えます。
毎晩つないでおけば、朝はいつも満タンです。ガソリンスタンドに寄る手間もなくなります。
家で充電する量が増えると、今度は電気の契約が効いてきます。夜が安いプランに変えるだけで、月に1000円から2000円ほど下がる家庭があります。
出光でんきは、EVに乗る家庭向けの割引が用意されているプランです。給油の割引も付くので、家にもう1台ガソリン車がある方にも合うと思います。夜の充電が増えてきた方は、一度見比べてみてください。
沖縄と離島は対象外です。低圧のEV向け契約をすでに使っている場合は条件が重なることがあるので、申し込む前に今の明細を確認してください。
家で充電できる環境を先に用意しておくと、この記事の心配のほとんどが要らなくなります。
EVの自宅充電200V工事 費用と確認する5つ
😥 つまずきやすいところ
いちばん多いのは、目的地の充電器が使えると思い込むことです。故障中だったり、1基しかなくて先客が30分待ちだったりします。
出発前に、目的地の充電器と、その手前にもう1か所を決めておいてください。二段構えにするだけで、慌てる場面がほとんどなくなります。
もうひとつ、ロードサービスの付帯を確認していない方が多いです。いざというとき番号を探すところから始まると、それだけで気持ちが折れます。保険証券の連絡先を、今日スマホに登録しておいてください。
🙅 こんな人には向きません
残量を1割まで使い切ってから充電する乗り方は、電欠を心配する方には向きません。電池にも負担がかかります。
充電計画を毎回立てるのが面倒だと感じる方も、家で充電できる環境が整うまでは長距離を避けたほうが穏やかに過ごせます。
✅ 今日からできる三つ
一つ目は、保険証券を開いてロードサービスの番号を登録することです。5分で終わります。
二つ目は、自分の車の出力制限マークがどんな形か、取扱説明書で見ておくことです。知らないマークが点くと、それだけで焦ります。
三つ目は、残量の下限を自分で決めることです。夏は3割、冬は5割。この線を割ったら充電すると決めておくと、迷わなくなります。
買う前から売るまでの疑問は、こちらにまとめてあります。
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