「EVは維持費が安い」とよく言われます。これ、半分は本当で、半分は言葉が足りていないんです。
正確には、安くなる項目と、ほとんど変わらない項目と、むしろ上がりやすい項目に分かれます。全部がまとめて安くなるわけではないんですよね。
この記事では、その3つを分けて整理します。買ったあとに「そんな出費があるとは」とならないように、先に全体を見ておきましょう。
🧾 税金はEVがはっきり有利
まず、いちばん差がつくのが税金です。ここはEVの優遇がしっかりしています。
自動車税は排気量で決まりますが、EVはガソリンを使わないため1,000cc以下の区分に入ります。2019年10月1日以降に新車登録した車なら、年25,000円です。
さらにグリーン化特例が適用されると、翌年度分は概ね75%軽減されます。金額にすると6,250円ほどですね。
このグリーン化特例、ハイブリッド車は2021年4月以降に対象から外れています。だから「電動車だから安い」ではなく「EVだから安い」というのが正確なところです。
購入時にかかる環境性能割は、EVは非課税です。自動車重量税もエコカー減税で免税になります。

なお、令和8年度の税制改正で、エコカー減税は2028年4月30日まで、グリーン化特例は2028年3月31日まで延長されました。あわせて「自動車税種別割」という呼び方が「自動車税」に、「軽自動車税種別割」が「軽自動車税」に戻っています。
自治体によっては、さらに上乗せがあります。東京都では、2030年度末までに新車登録したEVとPHEVについて、登録年度と翌年度から5年度分の自動車税が課税免除になります。住んでいる場所で結論が変わるので、ここは必ず自分の自治体で確認してください。
▼補助金もあわせて確認するなら
🔧 メンテナンスは減る ただしゼロにはならない
EVにはエンジンがないので、エンジンオイルの交換もオイルフィルターの交換もいりません。ここは確実に減る費用です。
ブレーキも、回生ブレーキで減速する場面が多いぶん、パッドの減りがゆるやかになる傾向があります。
一方で、車検そのものは同じように受けます。法定費用のうち重量税は減っても、点検整備の費用がなくなるわけではありません。
そしてタイヤです。EVはバッテリーを積んでいるぶん車体が重く、加速も力強いので、タイヤの減りが早くなりやすいんです。EV向けの静粛性を高めたタイヤは価格も高めなので、ここは想定に入れておいてください。
🛡️ 任意保険は上がりやすい
見落とされやすいのが任意保険です。EVは車両価格が高い傾向にあり、車両保険をつけると保険料が上がりやすくなります。
修理の面もあります。バッテリーや制御まわりは扱える工場が限られるため、修理費が高くなることがあります。
ただし、これは会社によってかなり差が出るところでもあります。EV向けの割引を用意している会社もあるので、同じ条件でも金額が揃わないんです。
だからこそ、1社で決めずに並べて比べる価値があります。ここは手間をかけた分がそのまま毎年の差になります。
同じ条件で複数社の金額をまとめて確認できます。EVは会社ごとの差が出やすいので、比べる意味があります。
🔋 バッテリーは保証の中身を見る
いちばん心配されるのがバッテリーです。交換となればまとまった金額になりますから、不安になるのは当然だと思います。
ここで見るべきは、交換費用そのものより保証の条件です。多くのメーカーが年数と走行距離で保証を設定していて、期間内に容量が一定以下まで下がったら対応する、という形が一般的です。
確認したいのは3つ。何年か、何万kmか、そして容量が何%まで下がったら対象になるか。この3つ目が書かれていない説明は信用しないでください。
保証の条件は車種ごとに違います。検討している車の公式サイトで、必ず数字を確認しておきましょう。
⚡ 電気代は契約プランで変わる
燃料代にあたるのが電気代です。ここはガソリンと違って、契約している料金プランによって単価が変わります。
同じ距離を走っても、プラン次第で年間の支払いはけっこう動きます。EVを買ってから料金プランを見直していない人は、ここが手つかずになっていることが多いんですよね。
▼電気代の詳しい話はこちら
📊 項目ごとに並べるとこうなる
| 項目 | EVの傾向 | 合わない条件 |
|---|---|---|
| 自動車税 | 安い(優遇あり) | 中古で優遇期間が終わっている |
| 重量税 | 免税 | 新車登録から年数が経っている |
| 燃料・電気代 | 安くなりやすい | 自宅充電ができず外の充電が中心 |
| メンテナンス | オイル交換が不要 | 走行距離が多くタイヤ交換が増える |
| 任意保険 | 上がりやすい | 車両保険をつけたい |
自宅充電ができるかどうかが、燃料代の前提を左右します。ここが崩れると、EVの一番大きな利点が薄くなってしまいます。

▼自宅充電の環境づくりはこちら
🙅 こんな人には向きません
維持費の面から見ると、EVが合いにくいのは次のような人です。
数字の話より前に、この4つに当てはまるかを見たほうが早いです。前提が合っていないと、優遇があっても取り戻せません。

📝 まとめ 3つに分けて考える
もう一度整理します。税金は明確に安い、メンテナンスは減るがゼロではない、保険は上がりやすい。この3つに分けて見てください。
そして一番効くのは、自宅で充電できるかどうかです。ここが成立していれば電気代の利点が生きますし、していなければ計算の前提が変わります。
数字を集める前に、まず自分の住まいと使い方を確認する。順番としてはそこからだと思います。
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