EVに乗りかえて、思っていたより電気代が高いと感じていませんか。
実は自宅充電の費用は、車の性能よりも契約している電気プランで大きく変わります。同じ車、同じ走り方でも、プランが違うだけで年間1万円以上ひらくことがあるのです。
この記事では、EVの充電代を安くするプランの選び方を、しくみから順番に整理します。申し込めない条件も先にお伝えするので、切り替えて後悔する前に確認してみてください。
⚡充電代は「単価×充電した量」で決まる
自宅充電の費用は、とてもシンプルな式で計算できます。使った電力量(kWh)に、1kWhあたりの単価をかけるだけです。
目安の単価としては、1kWhあたり31円が広く使われています。ただしプランによっては夜間15円台から昼間35円超まで幅があります。 Carconnect
では、EVは月にどれくらい電気を使うのでしょうか。
三菱自動車のeKクロス EVはカタログの電費が124Wh/kmで、年間10,000km走る場合、月の電気使用量は約104kWhになります。 EVee
月104kWhを単価31円で充電すると約3,200円、単価20円のプランなら約2,100円です。差は月1,100円ほど、1年で1万3,000円ほどになる計算です。
車を買いかえるより、契約を見直すほうが早くて確実だといえます。

🔍まず自分の家の「今の単価」と「充電時間」を調べる
プラン探しの前に、やることが2つあります。ここを飛ばすと、比べる基準がないまま選ぶことになります。
1つめは、今の単価を知ることです。電力会社の検針票(請求書)かマイページを開いて、使った電力量(kWh)と電気料金を確認してください。料金を電力量で割れば、だいたいの単価が出ます。
2つめは、自分が何時に充電しているかを確認することです。夜寝ている間か、休日の昼間か、それによって選ぶプランが変わります。
この2つがわかると、選択肢は一気に4つくらいに絞れます。
🌙夜に充電する人向け:夜間が安いプラン
いちばん王道なのが、深夜の単価が安いプランです。EVは寝ている間に充電できるので、この時間帯とかみ合います。
近年はEV専用の電力ブランドも登場しました。2025年9月、まちエネを提供するMCリテールエナジーから、EV・PHEVに特化した電力ブランド「EVee(イービー)」が誕生しています。 Gogo
なかでも夜充電向けの「毎晩快適充電プラン」は、しくみが少し変わっています。1か月の家庭の総電気使用量の20%を上限に、午前1時〜午前5時の間の電気料金が無料になるプランです(関西・四国エリアの6kVA未満は25%が上限)。 evee
ここで大事なのが「20%まで」という部分です。夜中に充電した分すべてが無料になるわけではありません。
たとえば家全体で月300kWh使う家庭なら、無料になるのは60kWhまでです。EVの充電が月100kWhあっても、無料になるのは60kWh分にとどまる計算になります。
つまり家全体の電気使用量が多い家庭ほど、無料の枠も大きくなるしくみです。オール電化の家庭や、家族が多い家庭のほうが相性がよいと考えられます。
なお細かい点も公式サイトに書かれています。再生可能エネルギー発電促進賦課金は午前1時〜午前5時の使用量も対象になるため、完全に0円になるわけではありません。一方で燃料費調整額は、総使用電力量から無料充電電力量を差し引いた分で計算されます。 evee

☀️昼に充電できる人向け:昼が安いプランと太陽光
在宅勤務や、休日の昼に車が家にあるなら、昼間の単価が安いプランも候補になります。EVeeにも昼向けのプランが用意されています。
太陽光発電がある家庭なら、選択肢はさらに広がります。2026年現在、固定価格買取制度(FIT)の売電単価は10〜16円/kWh前後まで下がっており、余剰電力を売電するよりも自家消費に回したほうが経済的なメリットが大きくなっています。 Panasonic
昼に発電した電気をそのままEVに入れれば、充電コストは大きく下がります。売る値段より買う値段のほうが高い今、自分で使うほうが得になっているわけです。
ただし昼に車が外に出ている人には、この方法は使えません。生活パターンとかみ合うかどうかが分かれ目になります。
⚠️このプランが向かない人・向かない家
ここまで読んで良さそうだと思った方に、先にお伝えしたいことがあります。EV向けプランには、申し込めない条件や損をする条件がはっきりあるのです。
まずEVeeの毎晩快適充電プランの場合、次の条件に当てはまる方は申し込めません。EV・PHEVを保有し、同じ場所に充電設備が設置されていること、そして契約電流が30A以上であることが申し込み条件になっています。 evee
エリアの制限もあります。公式サイトに料金が掲載されているのは東北・東京・中部・関西・中国・四国の各電力エリアです。北海道・北陸・九州・沖縄にお住まいの方は、別の会社を探すことになります。 evee
さらに、こんな方は夜間が安いプランを選んでも効果が出にくいと考えられます。
夜間が安いプランは、その代わりに昼間の単価が高めに設定されていることが多いです。昼にたくさん使う家庭が乗りかえると、充電代は下がっても家全体の電気代が上がることがあります。
手続きの時間差も知っておいてください。申し込みから電力会社が切りかわるまで2〜6週間かかります。また「電気使用量のお知らせ」を郵送で受け取る場合、1契約あたり月額220円がかかります。紙の明細にこだわらないなら、ここは切っておくのがよさそうです。 evee
📋4つの選択肢を条件で比べる
自分がどこに当てはまるか、表で確認してみてください。合わない条件の列を必ず見てから決めるのがおすすめです。
| 選び方 | 安くなるしくみ | 合わない条件 |
|---|---|---|
| 夜間無料タイプ(EVee 毎晩快適充電プランなど) | 午前1〜5時の電気代が無料(総使用量の20%まで) | 北海道・北陸・九州・沖縄エリア、契約30A未満、充電器がない、昼に電気を多く使う家庭 |
| 昼が安いタイプ | 日中の単価が下がる | 昼に車が家にいない、夜だけ充電する人 |
| クルマ割引つきタイプ(idemitsuでんきなど) | 給油かEV充電のどちらかが毎月割引 | 沖縄・離島、低圧電力プラン契約、ガソリン割引とEV割引の併用希望 |
| 太陽光の自家消費 | 昼の充電コストが大きく下がる | 設備がない、集合住宅、昼は車で出ている |

🚗給油とEV充電、どちらか選べるプランもある
家に1台はEV、もう1台はガソリン車という家庭も多いと思います。そんな方に合いそうなのが、車に関する割引を選べるプランです。
idemitsuでんきには「クルマ特割」というオプションがあります。ガソリンコースは出光興産のサービスステーションでの給油が2円/L引きになり、月間上限は100Lです。EVコースは、電気契約者またはその家族の名義でEVを所有し、自宅などに充電器が設置されている場合、電気料金から毎月200円引きになります。 Enechange
つまりガソリンコースは上限まで使って月200円、EVコースは月200円。どちらを選んでも上限では同じ金額になります。
ここで見落としやすい条件が2つあります。1つはガソリンコースとEVコースは併用できないこと。もう1つはEVコースを申し込む場合、電気自動車の車検証に記載されている車台番号(車体番号)と車両番号が必要になることです。申し込みの前に車検証を手元に出しておくと、途中で止まらずにすみます。 Idemitsu
またクルマ特割の対象は「Sプラン」と「オール電化プラン」で、低圧電力プランは対象外です。EVを入れたときに200Vの契約を見直した方は、自分の契約種別を先に確認してみてください。
このプランの割引額は月200円で、大きな金額ではありません。むしろ本体は、使う量が多いほど1kWhあたりの単価が下がる料金設計と、市場連動の追加料金がない点にあると考えられます。EVで電気の使用量が増えた家庭とは、この設計がかみ合いやすいわけです。
なお現在はキャンペーンも実施中です。2026年4月1日から2027年3月31日まで、期間中に入会すると電気料金1か月分が3,000円引きになります(供給開始日が属する月から3か月後の電気料金が対象)。 Enechange
家の電気とクルマの費用をまとめて見直すなら
EVに乗ると、ガソリン代が電気代に置きかわります。家計の中で見る場所が変わるので、この機会に契約そのものを確認しておくと安心です。
idemitsuでんきは、Web上の料金シミュレーションで今の使用量を入れて試算できます。切りかえるかどうかは、その数字を見てから決めれば十分です。
ひとつご注意ください。沖縄および離島からの供給申し込みは対象外となっています。
まずは自分の家の数字で試算してみてください。
🛠️切り替え前にやる3つの確認
最後に、申し込みボタンを押す前の確認をまとめます。ここを見るだけで、失敗はかなり減らせます。
1つめは、検針票を3か月分ならべることです。夏と冬で使用量は大きく変わるので、1か月だけで判断すると読み違えます。
2つめは、契約アンペア数の確認です。200Vの普通充電は通常15〜30Aの電流を必要とし、ほかの家電と同時に使うとブレーカーが落ちる可能性があります。ただし契約アンペア数を上げると基本料金も上がるので注意が必要です。安くしたくてアンペアを上げた結果、基本料金で相殺されることもあります。 Panasonic
3つめは、そのプランの対応エリアと申し込み条件を公式サイトで確認することです。比較サイトの情報は更新が遅れることがあります。最終確認は必ず各社の公式ページで行ってください。
❓よくある質問
Q. 一番安いプランはどこですか。
家庭ごとの使用量と充電時間で変わるため、共通の正解はありません。家全体の使用量が多くて夜に充電する家庭なら夜間無料タイプ、昼に車が家にある家庭なら昼が安いタイプが有利になりやすいといえます。
Q. 集合住宅でも安くできますか。
自分の名前で電気を契約できる充電設備があるかどうかで変わります。共用の充電器を使う場合は、管理組合が決めた料金になるため、個人でプランを選ぶ余地はほとんどありません。
Q. 急速充電を中心に使っています。
自宅充電がほとんどないなら、電気プランを変えても効果は小さいです。この場合は充電カードの料金体系を見直すほうが効きます。
Q. 切りかえで工事は必要ですか。
一般的な切りかえでは、スマートメーターがすでに付いていれば工事は不要です。ただし各社の条件によって異なるため、申し込み時に確認してください。
まとめ
EVの充電代は、車の性能より契約している電気プランで決まります。
夜に充電する家庭なら夜間が安いプラン、昼に車が家にある家庭なら昼が安いプランや太陽光の自家消費。そして給油と電気の両方を使う家庭なら、車の割引がついたプランが候補になります。
ただしどのプランにも、エリアや契約容量といった申し込み条件があります。まずは検針票を3か月分ならべて、自分の家の数字を確かめることから始めてみてください。


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