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ランクル300 HEVが示す大型SUV電動化の現在地

Toyota
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「本格SUVを電動化する」と聞いたとき、多くの人が思い浮かべるのは電気自動車(BEV)だと思います。

でも2026年のいま、実際に起きていることは少し違います。メルセデスはGクラスをBEVにしました。トヨタはランクル300にハイブリッドを積みました。同じ「電動化」でも、出てきた答えは正反対です。

2026年1月、トヨタの欧州法人がランドクルーザー300初のハイブリッドを正式に発表しました。日本導入は2026年9月とも伝えられています(未発表)。

この1台を手がかりに、大型SUVの電動化がいまどこまで来ているのかを整理します。

🌍 大型SUVの電動化は「BEV一択」ではなくなった

いま、本格的な大型SUVがとっている電動化の道は、大きく3つに分かれています。

1つめはBEV。メルセデス・ベンツの「G580 with EQ Technology」がその代表です。4つのモーターで各輪を独立して動かし、その場で回転する「Gターン」まで実現しました。

2つめがハイブリッド(HEV)。ランクル300、レクサスLX700h、そして北米のトヨタ車が使う「i-FORCE MAX」がここに入ります。エンジンを残したまま、モーターで足りない部分を埋める考え方です。

3つめはディーゼルの継続。ランクル300も、ハイブリッドが加わったあともディーゼルは残る見通しとされています。

同じ「電動化」という言葉でも、中身はまったく違います。そして大型SUVの世界では、いま2つめのハイブリッドがいちばん現実的な解として選ばれています。

⚡ ランクル300 HEVが選んだ「パラレルハイブリッド」の中身

ランクル300のハイブリッドは、3.5L V6ツインターボエンジンに1つのモーターを組み合わせたパラレルハイブリッドです。

しくみはこうです。エンジンと10速ATの間に、クラッチ付きのモータージェネレーターを挟み込む。エンジンをかけるのも、モーターだけで走るのも、加速を助けるのも、減速のエネルギーを電気に戻すのも、すべてこのユニットが担当します。

トヨタ独自の分割式ハイブリッド(THS)とは別の方式です。トルクコンバーター付きのATをそのまま残せるので、重い車体を引っ張る場面や、トランスファーのLoレンジを使う場面に向いています。

数字も出ています。システム最高出力457hp(463PS)、最大トルク790Nm。トルクは従来より20%増えていて、ランクル史上いちばん強い数字です。

30km/h以下ではモーターだけで走行でき、アクセルの反応は3.3Lディーゼル車と比べて40%良くなったとされています。電動パワーステアリングも新しく採用されました。

なお、このユニットはレクサス「LX700h」ですでに実用化されているものです。まったくの新規開発ではなく、実績のあるシステムが本家に降りてきた形になります。

🔋 なぜBEVにしなかったのか

ここが今回いちばん面白いところです。

BEV化した「G580 with EQ Technology」を見てみます。バッテリー容量は116kWh。このバッテリーだけで700kgを超えます。車両重量は3,120kgに達し、WLTCモードの航続距離は530km、価格は2,635万円です。

走りは素晴らしいと評価されています。ただ、3トンを超える車体と530kmという航続距離は、砂漠や山岳地帯を何日も走るような使い方とは、正直あまり噛み合いません。

一方のランクル300 HEVは、燃料タンクをそのまま持っています。給油設備さえあれば走り続けられますし、バッテリーは補助に徹しているので、重量の増え方も限定的です。

水の中を渡れる深さ、いわゆる渡河性能も700mmのまま維持されました。バッテリーを積んだ場所には専用の防水加工がされていて、砂漠や泥地、山岳地帯でテストが重ねられています。

トヨタはこの考え方を「マルチパスウェイ戦略」と呼んでいます。ひとつの正解を決めるのではなく、使われる場所ごとに最適な動力を用意する、という方針です。ランクル300 HEVは、その方針がいちばんわかりやすく形になった例だといえます。

🏔️ 「走破性を落とさない電動化」という設計思想

電動化すると、たいていは何かを諦めることになります。重量が増える、床が高くなる、機構が複雑になる。

ランクル300 HEVで注目したいのは、諦めなかった部分です。フルタイム4WD、トランスファーのLoレンジ、トルクコンバーター付きのAT。この3つはすべて残されました。

むしろモーターが加わったことで、低速でじわりと駆動力をかける制御はやりやすくなります。岩場や急斜面のように、少しずつトルクをかけたい場面ではモーターのほうが得意だからです。

「電動化で走破性が上がる」という現象は、G580でも同じことが起きています。方式は正反対でも、モーターがオフロードに効くという点は共通しています。

📅 日本市場のスケジュールはどうなる?

日本での動きも整理しておきます。

ランクル300 HEVは、2026年9月発売・8月先行受注開始と複数のメディアが伝えていますが、トヨタからの正式発表はまだありません(2026年7月時点)。時期がずれる可能性は残っています。

ランクル250については、北米などで2.4Lターボのハイブリッドが用意されているものの、日本仕様にはまだ設定がありません。こちらはもう少し先になりそうです。

ライバル側も動いています。日産は2025年10月、大型SUV「パトロール」を2027年度前半に日本市場へ投入すると発表しました。こちらはV6ツインターボを積むモデルとされています。

つまり2026年から2027年にかけて、日本の大型SUV市場は選択肢が一気に増える局面に入ります。いま候補を絞りきってしまうと、1年後に「あれも見ておけばよかった」となる可能性があります。

💡 買い手として押さえておきたいこと

電動化の過渡期でいちばん読みにくいのは、数年後の価値です。

ガソリン車が姿を消し、ハイブリッドが主力になり、その先にBEVが控えている。この流れの中では、いま買ったクルマが3年後・5年後にどう評価されるかを言い当てるのは、正直かなり難しくなっています。

だからこそ「所有する」以外の持ち方も、選択肢に入れておく価値があります。

残価のリスクを自分で持たない、という選択

カーリースは、契約が終わったときの予想価格(残価)をあらかじめ差し引いて、残りの分だけを毎月払うしくみです。値下がりの読み違いを自分で抱え込まなくて済む、という考え方ができます。

「オリコで乗ーる」は、2026年4月に「SOMPOで乗ーる」から名前が変わったカーリースです。国産車は全車種、輸入車も一部を含めて約300車種から選べます。

頭金や初期費用は0円。契約期間は1年から9年まで、1年きざみで選べます。契約が終わったあと、そのまま自分のクルマにできるオプションも用意されています。

電動化の答えが出そろうまで数年だけ乗る、という使い方とは相性が良いはずです。

まずはどの車種がいくらで乗れるのか、見積もりだけ取ってみてください。

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📝 まとめ

最後に整理します。

大型SUVの電動化は、BEVとハイブリッドに大きく分かれました。G580は3トン超・116kWhという力技で、ランクル300 HEVはエンジンを残したまま走破性を守るという方向で、それぞれ答えを出しています。

ランクル300 HEVの中身は457hp・790Nm、渡河性能700mmは維持。レクサスLX700hと同じユニットなので、技術としてはすでに完成しています。

日本での発売時期・価格・グレードはまだ未発表です。2026年から2027年にかけては日産パトロールも加わるので、選択肢が出そろうまでもう少し様子を見る価値はありそうです。

新しい情報が入り次第、追記していきます。

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