7月8日、ボルボから電気自動車のEX90とES90が同じ日に発売されました。どちらもボルボの頂点に立つモデルで、価格は979万円から1399万円です。
先に結論をお伝えします。いちばん長く走れるのはES90の最上級グレードで720km。7人で乗れるのはEX90。そして気になるV2Hは、日本での対応がまだ案内されていません。
この記事では、価格・航続距離・自宅の充電という、買う前につまずきやすい3つを順番に整理します。読み終わるころには、どちらが自分に合うかの目星がついているはずです。
🚙 EX90とES90は、何がちがうの?
EX90は3列7人乗りのSUVです。全長5035×全幅1965×全高1740mm、ホイールベースは2985mm。3列目にも身長170cmまでの人が2名しっかり座れる広さがあり、家族や仲間との移動を想定した作りになっています。
ES90はセダンの上品さ、ハッチバックの使いやすさ、SUVの広さを1台にまとめたクロスオーバーです。2024年に販売を終えたS90の後を継ぐ位置づけで、流れるような屋根のラインが特徴になっています。
2台に共通しているのは、SPA2という新しい車体の土台と、800Vの電気システム。そしてOTA(無線アップデート)で買ったあとも中身が新しくなっていく、ソフトウェア中心の設計です。
💰 価格はEX90が1199万円から、ES90が979万円から
まず価格を並べてみます。
EX90(すべて4輪駆動)
・Plus Twin Motor:1199万円
・Ultra Twin Motor:1349万円
・Ultra Twin Motor Performance:1399万円
ES90
・Plus Single Motor Extended Range:979万円
・Ultra Single Motor Extended Range:1129万円
・Ultra Twin Motor Performance:1229万円
ここでボルボがやっているのは、EVの値段をガソリン系の上級モデルにそろえるという工夫です。XC90のプラグインハイブリッドは1392万円、S90のプラグインハイブリッドは1089万円でした。つまり「EVを選ぶと高くなる」という理由を、価格の面から消しにきたということです。

もうひとつ、補助金の話も外せません。2026年から国のCEV補助金は、普通のEVで上限が130万円に引き上げられました。ただし全部の車が130万円もらえるわけではなく、銘柄ごとに金額が決まっています。しかも登録した日によって金額が変わるので、見積もりのときに販売店で必ず確認しておきましょう。
🔋 航続距離は650kmと720km。いちばん長いのは意外なグレード
EX90は全グレードが106kWhのバッテリーを積み、一充電走行距離は650km(WLTCモード)です。
ES90は2種類あります。シングルモーターは92kWhで665km、ツインモーター パフォーマンスは106kWhで720km。おもしろいのは、いちばん速いグレードがいちばん長く走るという点です。バッテリーが大きい分だけ距離も伸びる、という素直な作りになっています。

2台とも800Vという方式を使っています。電気を送る力が強いので、同じ時間でも多く充電できるのが利点です。ES90は海外の350kW級の急速充電器なら、10分で300km分を足せるとされています。ただし日本の急速充電器はそこまで出力が高くない場所も多いので、実際の充電時間はカタログどおりにはいかない場面もありそうです。
🏠 自宅の充電はどうなる?V2Hは使える?
結論から書きます。V2H(クルマにためた電気を家で使う仕組み)は、2026年7月の時点で日本での対応が案内されていません。
日本のV2Hは、CHAdeMOという急速充電の差込口から電気を「出す」ことで成り立っています。だからクルマ側がCHAdeMOの放電に対応している必要があり、V2H機器メーカーが出している対応車種の一覧に載っているかどうかが分かれ目です。2026年7月時点で、その一覧にボルボ車は見当たりません。
一方で、EX90はもともと双方向充電(電気を出し入れできる仕組み)を前提に設計されたクルマです。アメリカでは2025年12月から、dcbelという会社の家庭用エネルギー機器を通じて家に電気を送れるようになりました。日本でも将来対応する可能性はありますが、いまの時点では「使えない前提」で考えておくほうが安全です。
自宅の普通充電については、後で紹介する特典でボルボ純正のウォールボックスがもらえます。ただし設置の工事費は別途必要です。ここが見落とされやすく、あとから予算が狂う原因になりやすいところです。

🎁 5年分の充電と保証がつく「ES90/EX90エクスクルーシブパッケージ」
早く買った人向けの特典として、ES90/EX90エクスクルーシブパッケージが用意されています。中身は4つです。
1つ目は外出先の急速充電。e-Mobility Powerの充電ネットワークで、カードの月会費と、急速充電の月60分相当分までの料金が5年間無料になります。
2つ目は自宅の充電環境で、ボルボ純正のウォールボックスが提供されます。前の章で触れたとおり、設置工事費は別途必要です。
3つ目は5年の残価保証ファイナンス。決められた走行距離や状態の範囲内で返せば、契約が終わるときに追加の支払いが出ない仕組みです。
4つ目は保証とメンテナンス。5年間の走行距離無制限の車両保証に加えて、バッテリーは8年16万kmまで保証されます。メンテナンスプログラムも5年分が無償です。
🛡️ 車内に人が残っていないかを見張る、世界初のレーダー
EX90には、オキュパント・センシングという乗員検知システムが載っています。60GHzのレーダーを天井や荷室に置いて、荷室まで含めた車内全域を見張る、世界初の仕組みです。
眠っている小さな子どもの、呼吸による1mm未満の胸の動きまで拾えるとされています。人やペットが残っているとクルマがロックできなくなり、画面やアプリに知らせが出ます。さらに空調を動かして、暑さや寒さのリスクを下げる働きもします。
運転席側では、ドライバー・アンダスタンディング・システムが視線とハンドル操作を見ています。注意がそれていたり眠そうだったりすると、やさしい警告から段階的に知らせ、それでも反応がなければ安全に停止して緊急通報まで行います。
🤔 EX90とES90、どっちを選ぶ?
3列目を使う機会があるならEX90です。7人乗りで荷室も広く、家族での長距離移動や送り迎えに向いています。
ふだんは4〜5人までで、走る距離が長い人ならES90です。とくに720km走るツインモーター パフォーマンスは、充電の回数をいちばん減らせる選択になります。
予算をできるだけ抑えたいならES90のPlus Single Motor Extended Rangeです。979万円という価格は、この2台のなかでいちばん入りやすい入口になっています。

📝 まとめ|いま分かっていること、これから確かめること
いま分かっているのは3つです。価格は979万円から1399万円。航続距離は650kmから720km。そして早期購入特典で、5年分の急速充電と保証がついてきます。
これから確かめたいのも3つあります。CEV補助金の実際の交付額、自宅のウォールボックス設置工事費、そしてV2Hが日本でも使えるようになるかどうかです。
とくに工事費は家ごとに差が出るところなので、見積もりを先に取っておくと総額のズレが出にくくなります。気になる点はディーラーで最新情報を確認してみてください。


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