今、ホンダの本当の「攻め」は海の向こうにあるのかもしれません。 中国で産声を上げた次世代EVブランド「燁(イエ)」シリーズ、そして北米で電撃復活を遂げる「アキュラ RSX」。
これらのモデルは、私たちが知っているこれまでのホンダ車とは一線を画す、圧倒的なソフトウェア思想とデザインを纏っています。「日本には来ないだろう」と諦めるのはまだ早い。なぜなら、これらのモデルに注ぎ込まれた技術こそが、数年後の日本の道を走るホンダ車の“遺伝子”になるからです。世界のホンダが本気で描く、EV時代の最適解を深掘りします。
🌏 中国発・次世代EV「燁(イエ)S7・P7」:スマホ世代を唸らせるUI

中国市場は今、世界で最もEVの進化が激しい戦場です。そこでホンダが投入したのが「燁(イエ)」シリーズ。特にSUVタイプの「S7」と「P7」は、日本のファンが思わず嫉妬するほどの完成度を誇ります。

- 「光影の刃」が刻む圧倒的デザイン 鋭いカミソリのようなライトデザインと、Hマークを刷新した新しいエンブレム。中国市場のニーズに合わせた全長4,750mmの堂々たるボディは、ヴェゼルやZR-Vの一歩先を行く未来感を放っています。
- 超巨大センターディスプレイとASIMO OSの息吹 内装の主役は、もはや車というより「動くガジェット」。中国勢を凌駕する巨大モニターには、直感的なUIが組み込まれ、ソフトウェアが車両を制御する「SDV(ソフトウェア定義車両)」の思想が色濃く反映されています。
🇺🇸 北米で復活する「アキュラ RSX」:SUVとして蘇る伝説の名

かつて日本でも「インテグラ」の北米版として愛されたRSXの名前が、完全EVのパフォーマンスSUVとして復活します。2025年8月に世界初公開された「RSX Prototype」は、まさにホンダの「走り」への執着を形にした一台です。
- ホンダ独自開発プラットフォームの初陣 GMとの共同開発だったこれまでのEVとは異なり、このRSXはホンダがゼロから設計した独自のEVプラットフォームを採用。フロントにダブルウィッシュボーンサスペンションを備え、ブレンボ製ブレーキを標準装備するなど、「走れないEVはホンダじゃない」と言わんばかりのスペックです。
- ASIMO OSによる“超・個人最適化” 北米発のこのモデルから本格導入される「ASIMO OS」。ドライバーの運転癖や好みを学習し、乗り込むたびに自分仕様へと変化する体験は、まさに次世代の相棒と呼ぶにふさわしい進化です。
🧐 なぜホンダは、日本より先に「海外」で牙を剥くのか?
ファンとして最も気になるのは、「なぜこれほど魅力的なモデルが日本に導入されないのか?」という点でしょう。
その理由は、**「市場の成熟度とインフラの差」**にあります。 中国は圧倒的なEV普及率とソフトウェアへの要求が世界一高く、ここで勝負しない限り次世代の標準は作れません。また、北米は長距離移動とハイパワーが求められる戦場。ホンダはまず、世界で最も過酷なEV市場に「最強の駒」を投入し、そこで磨き抜かれた技術を日本へ還流させる戦略を採っています。
つまり、イエやRSXは、将来日本に登場する「0(ゼロ)シリーズ」の壮大な実証実験でもあるのです。
✨ 「逆輸入」の可能性と、日本が受け取る恩恵
現時点でイエS7・P7やアキュラRSXがそのまま日本で発売される可能性は高くありません。しかし、落胆する必要はありません。
2026年以降、日本でマイナーチェンジされる「ZR-V」や「ステップワゴン」のインフォテインメント、そして2027年に登場する「0シリーズ」には、間違いなくこれらの海外モデルで培われた「ASIMO OS」の知見や、超薄型バッテリー技術がフィードバックされます。
私たちは今、世界で戦うホンダの「最先端」をモニター越しに目撃しているのです。その熱量が日本に上陸する日は、そう遠くありません。


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